遺産分割協議の大きな流れ
1 遺産分割協議の流れ
遺産分割協議は、まずは当事者間の交渉により協議を進めますが、当事者の主張が折り合わない場合には、調停により解決することになります。
当事者間の交渉 ⇒交渉成立 =遺産分割合意成立
⇒交渉不成立=遺産分割調停に移行⇒調停成立
⇒審判により決定
遺産分割の交渉は、親族間の過去のトラブルなどが原因で、遺産の分割方法とは別の部分で感情的な対立が生じることがあります。
そのような場合は、調停手続きにより、裁判官と調停委員の関与の下、冷静な話し合いを進めることが必要になります。
また、調停においても、分割方法などで合意が成立しない場合、「審判」という裁判所の判断により遺産分割が成立することもあります。
2 遺産分割協議の検討事項
遺産分割協議では、大きく次の6つの事を検討していくことになります。
①遺言の有無の確認
②相続人の範囲の確定
③遺産の範囲の確定
④遺産の評価の確定
⑤寄与分・特別受益の確定
⑥分割方法の確定
例えば、②について、相続人の廃除(こちらを参照。)が問題となる場合には、まずは相続人の範囲を検討する必要があります。
また、③について、隠し財産が疑われる場合には、遺産を細かく調査する必要があります。
遺産分割では、⑥分割方法の確定が意識されることが多いですが、まずは前提問題ともいえる①から⑤までをしっかり検討しておくこと必要です。
なお、遺産分割調停では、上記①から順にしっかりと交通整理をして検討が進められるため、建設的な話し合いを期待できます。