長男の娘が大学に進学する予定だが、進学した場合したときは、大学進学から卒業まで、毎月10万円を遺贈したいと思いますが、可能ですか?

回答

下記文例のように、停止条件を付けて遺贈させることが可能です。また、期限付きで遺贈することも可能であり、大学卒業を終期とした遺贈をすることが出来ます。毎月給付を実行する遺言執行者を指定しておく必要があるといえます。

第〇条 遺言者は長男の娘に対し、同人が大学に進学することを条件とし、大学を卒業するべき日が属する月まで、毎月末日限り、金10万円を遺贈する。

 

条件付遺贈

遺言は、原則、遺言者の死亡時からその効力が発生しますが、将来発生するかどうか不確定な事実に遺贈の効力発生をかからせる遺贈を条件付遺贈といいます。

停止条件付遺贈の遺言をした場合には、条件とした事実が発生した時からその遺言の効力が発生することになります。

また、解除条件付遺贈の遺言をした場合には、条件とした事実が発生した時にその遺言の効力が失われることになります。

上記事例の場合、大学に入学するという事実が起こるかどうかは不確定であるため、条件ということになり、その条件が成就したときに上記遺言の効力が発生します。

その条件は、相当程度その成就が見込まれること、確実性がある場合でないと、遺言の効力について不安定な状態が続くことになるので、条件付遺贈の合理性を十分に検討する必要があるといえます。

また、遺言によって、遺産分割を禁止できる期間の上限は5年間とされているため、注意が必要です。

期限付遺贈

遺贈の効力の発生、または消滅が将来発生することが確実な事実に係る遺贈を期限付遺贈といいます。到来することが確実である将来のある時期に遺贈の効力を発生させること、また将来のある時期に遺贈の効力を失わせることが可能です。

上記事例では、大学に入学することを条件としたうえで、大学を卒業するべき日を定めており、大学進学と同時に必然的に大学を卒業するべき日が終期として確定することになります。

遺言執行者の指定

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言執行に必要な一切の行為をする権利権限を有するとされています。また、遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができます。つまり、財産を遺贈する場合、履行義務者は、一義的には相続人や受遺者となりますが、遺言執行者を指定した場合には遺言執行者のみに限られます

遺言を確実に実現し、相続人間で争うことなく手続きを円滑に進めるためには、遺言執行者を指定しておくことが望ましいといえます。

上記事例において、毎月10万円の給付を実行する人を指定しておくことが相当です。

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